驚くべき事実として、トヨタ自動車の社外取締役、菅原育郎氏(66)が、社内での説明責任が欠如していると認識している豊田章男会長を公然と批判した。 菅原氏の発言は、トヨタグループ3社で検査不正などの不祥事が相次いでいる最中に行われた。
菅原氏は週刊文春の取材に率直に「副社長が次々に解任され、声を上げられる人がいなくなった」とトヨタ経営陣内での反対の声が減りつつあることを嘆いた。 創業家の御曹司として大きな影響力を持つ豊田会長の経営手法への懸念を浮き彫りにした発言だ。
最近相次ぐ検査不正事件は、ダイハツ工業、豊田自動織機、日野自動車からも暴露され、トヨタの評判を傷つけている。 ダイハツ工業が30年以上にわたる車両認証試験のデータ捏造を認めたことは、他の子会社からの同様の暴露と相まって、社内の組織的な問題を浮き彫りにした。
豊田会長は状況の深刻さを認識しているものの、根底にあるガバナンス上の懸念に対処することに消極的であると受け止められ、批判にさらされている。 菅原氏の批判は、豊田会長のリーダーシップに対するアプローチの変化を指摘し、過去の慣行からの脱却を示唆している。
特に懸念されるのは、副社長職の廃止とその後の復帰を特徴とするトヨタの異例の人事再編である。 役員の頻繁な交代は、菅原氏の言うところの、反対意見を言わずに個人を任命する傾向と相まって、同社の意思決定プロセスに疑問を投げかけている。
菅原氏の洞察は、世界最大手の自動車メーカーのひとつの内部ダイナミクスを垣間見ることができ、トヨタのコーポレート・ガバナンス構造における伝統と近代化の間の緊張を浮き彫りにしている。 トヨタがこうした不祥事の余波に対処する中、菅原氏の批判は、企業のリーダーシップにおける透明性と説明責任の重要性を痛切に思い出させるものとなっている。
菅原氏のインタビュー全文は、トヨタの内部事情に関するさらなる暴露とともに、次号で特集される予定だ。
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